「微分の定義式」って覚えるの?
何回も導きすぎて形まで覚えちゃうってのが正解
微分の目的から「導関数の定義式」を導いてみよう
教科書では「微分係数」から説明されますが、ここでは分かりやすさ重視で「導関数」からいきましょう!
微分の目的
これは必ず暗記してください!
微分の目的は、接線の傾きを求めること!
この目的から、定義式は自分で導出できるようにしておくことが大切です。
「導関数の定義式」の導出
赤の接線の傾きを求めるのが目的で、これが導関数 \(f'(x)\) と言われるものです。
直線の傾きを決めるためには2点が必要ですが、今は \((x\:,\:f(x))\) という1点しか分かっていません。な~んも関係ないとこにもう1点をとってもしょうがないので、グラフ上の \(x\) 座標が \(h\) だけ進んだところにもう1点をとって傾きを求めることにしましょう。
この青の直線の傾きは、 \(\displaystyle\frac{f(x+h)-f(x)}{h}\) となり、\(y=f(x)\) の \(x\) から \(x+h\) までの「平均変化率」と呼ばれます。
「平均変化率」ってのも2015センター試験ⅡBで問われてるから、一応覚えておくのがベスト!
この青の直線の傾き=「平均変化率」は、↑の状態では目的の赤の直線の傾き \(f'(x)\) とは全く異なりますが…
\(h\) を小さくしていけば、目的の赤の直線の傾き \(f'(x)\) に近づいていく
ことが分かります。
文系の人はほとんど扱わないんだけど、この「近づける」ってための記号が「\(\lim\)(極限)」ってもので…「導関数の定義式」の完成↓
導関数の定義式
\(f'(x)=\:\)\(\displaystyle\lim_{h\to0}\:\)\(\displaystyle\frac{f(x+h)-f(x)}{h}\)
冒頭で言った通り、上のように
グラフ上に2点をとって、近づける
って流れで「何回も導きすぎて形まで覚えちゃう」ってのが正解です!
「導関数」と「微分係数」の違い
教科書では「微分係数の定義式」は、さっき作った「導関数の定義式」の \(x\) を \(a\) に変えた形で紹介されるよね。
微分係数の定義式(教科書バージョン)
\(f'(a)=\:\)\(\displaystyle\lim_{h\to0}\:\)\(\displaystyle\frac{f(a+h)-f(a)}{h}\)
\(a\) になってるから混乱してる人が多いんだけど…この \(a\) は例えば \(a=7\) って具体値って意味!だから…
- 導関数
\(x=1\) でも \(x=\sqrt{2}\) でも \(x=\pi\) でも…どこでもオッケーなもの - 微分係数
例えば \(x=7\) に限定した…ピンポイントでのお話
「微分係数の定義式(実用的バージョン)」の導出
問題文で \(h\) なんてあんま登場しないでしょ(笑)登場するのは \(x\) !
だから「微分係数の定義式」は \(x\) を使った形でおさえておいた方が良い!これをこの記事では「実用的バージョン」と呼ぶことにします(笑)やはり、
グラフ上に2点をとって、近づける
って流れで自分で導けるようにしましょう!君らが混乱しないように、ここでは \(y=f(x)\) の \(x=7\) の微分係数 \(f'(7)\) を導きますが、\(x=3\) なら下の流れの \(7\) を \(3\) に変えるだけ~。
赤の直線の傾き \(f'(7)\) を求めるのが目的です。「導関数」ではここが \(x\) だったので \(h\) を使いましたが、グラフ上のもう1点の \(x\) 座標に \(x\) を使うことができます。
今回、この青の直線の傾き=「平均変化率」は、 \(\displaystyle\frac{f(x)-f(7)}{x-7}\) です。後は今回は \(h\) を使ってないことを意識すれば…この傾きは…
\(x\) を \(7\) に近づければ、目的の赤の直線の傾き \(f'(7)\) に近づいていく
ので、「微分係数の定義式(実用的バージョン)」の完成↓
微分係数の定義式(実用的バージョン、\(x=7\) のとき)
\(f'(7)=\:\)\(\displaystyle\lim_{x\to7}\:\)\(\displaystyle\frac{f(x)-f(7)}{x-7}\)
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導けるようにしておかなきゃダメ?
導けなくてもぶっちゃけそこまで困らないけど…
「導関数の定義式」から \(f(x)=x^2\) の導関数を導くと…
\[\begin{split}f'(x)&=\displaystyle\lim_{h\to0}\displaystyle\frac{f(x+h)-f(x)}{h}\\&=\displaystyle\lim_{h\to0}\displaystyle\frac{(x+h)^2-x^2}{h}\\&=\displaystyle\lim_{h\to0}\displaystyle\frac{2xh+h^2}{h}\\&=\displaystyle\lim_{h\to0}(2x+h)=2x\end{split}\]
ってなりますが…
受験での微分計算は公式でやっちゃうからね~(笑)
\(f(x)=x^2\) なら、「肩を下ろして、次数を1つ下げる」って公式があるんで、これで \(f'(x)=\:\)\(2\:\)\(x\:\)\(^{2-1}\:\)\(=2x\) って計算しちゃいます。従って…
ぶっちゃけ「微分の定義式」が導けなくてもそこまでは困らない(笑)
恥ずかしながら、現役で早稲田理工の僕、受験時はビミョーでしたm(_ _)mでも…
微分公式の証明が出題されることもあるし…
ちょうど2023慶應理工の問題1(1)で出題されています。
これ系の問題はアウト
「微分の定義式」を「何回も導きすぎて形まで覚えちゃうのが正解」ってのは、上位校で頻出な次のような系統の問題のためです。
2019東大第5問
一部を簡略化して抜粋します。最終的に以下の計算が必要でした。
\[\displaystyle\lim_{x\to1}\displaystyle\frac{\sqrt{x\cos x}-\sqrt{\cos 1}}{x-1}\]
これは「極限計算」の知識ではどーやっても解けません。「微分係数の定義式(実用的バージョン)」を逆に利用して、微分計算に持ち込みます。
\(f(x)=\sqrt{x\cos x}\) とすると、
\(\displaystyle\lim_{x\to1}\displaystyle\frac{\sqrt{x\cos x}-\sqrt{\cos 1}}{x-1}=\:\)\(\displaystyle\lim_{x\to1}\displaystyle\frac{\sqrt{x\cos x}-\sqrt{1\cdot\cos 1}}{x-1}=f'(1)\)
ここで、 \(f'(x)=\displaystyle\frac{\cos x-x\sin x}{2\sqrt{x\cos x}}\) であるから、
\(\displaystyle\lim_{x\to1}\displaystyle\frac{\sqrt{x\cos x}-\sqrt{\cos 1}}{x-1}=f'(1)=\displaystyle\frac{\cos 1-\sin 1}{2\sqrt{\cos 1}}\) (答)
まとめ
2019東大第5問のような問題に備えて、
他にも「微分可能性」の問題とかでも必須なんだけど、この記事では割愛(笑)
「微分の定義式」は、
グラフ上に2点をとって、近づける
って流れで「何回も導きすぎて形まで覚えちゃう」ようにしましょう!
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君の大学受験が最高の結果になることを祈ってます!