2023北大【理系数学】解説・解答・講評
2023北海道大学の理系数学の解説・解答・講評をお届けします!
文系数学については↓の記事をご覧くださいm(_ _)m
1
問題
考え方
(1)は、「同じことの繰り返し」なので、「漸化式の立式」を考えます。円 \(C_n\) 上の点を \(z_n\) とし、
円の方程式 \(|z_n-\alpha_n|=r_n\) を仮定
↓
\(2z_{n+1}=z_n+1+i\) より、\(z_n\) を消去
↓
\(|z_{n+1}-\alpha_{n+1}|=r_{n+1}\) と比較
することで、\(\alpha_n\:,\:r_n\) の漸化式を立式しましょう。因みに \(C_n\) が円であることの証明は数学的帰納法で行いますが、\(n=k\) とか別文字で仮定すると分かりにくくなるので、解答では条件(A)が \(n=1\) のときの成立を約束していることを断って、「帰納的に」って言葉で済ませています。
\(\alpha_n\) の漸化式は特性方程式タイプに、\(r_n\) の漸化式は等比タイプになるので、漸化式を解くのはカンタンです。
(2)は、「点と円上の点の距離の最小」を求めたいので、「2点を通る直線が中心を通るとき」に注目するだけですが…
原点Oが \(C_n\) の内部にくることもあるので、場合分け
を忘れないようにしましょう。解答ではしっかりと図を描いていますが、\(|\alpha_n|-r_n\) が負になることもあるってことから気づいても良いでしょう。最後の極限計算はオマケ程度の難易度です。
解答
2
問題
考え方
空間やだぁあああああああああああああああああああ
って拒絶反応を起こさないように(笑)
(1)は、空間での大原則、「断面を抜き出して考える」ってことから△ABPに注目して三平方の定理を使ってAP=6って求めるだけ。
(2)は、(1)を誘導と捉え、平面 \(\alpha\) に垂直な単位ベクトル \(\overrightarrow{u}\) を求めて、\(\overrightarrow{\textrm{OP}}=\overrightarrow{\textrm{OA}}+\overrightarrow{\textrm{AP}}\:\)\(=\overrightarrow{\textrm{OA}}+6\overrightarrow{u}\) から計算するのが良いでしょう。逆側にいっちゃうことも考慮、垂直を処理するベクトルの成分を一番カンタンな整数値に変換したりするカッコいい解答書いてますけど、Pの \(z\) 座標が正ってことから正しく座標を計算できれば減点は喰らわないかと。
(3)は、
直線OC上の点を実数 \(t\) で媒介変数表示
↓
球面 \(S\) の方程式に代入
して交点を求めますが…この後の処理…めぐろ塾↓的中(笑)
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交点の座標を決める \(t\) がキレイに求まらないので、2点間距離は、
\(t=\alpha\:,\:\beta\) とおいて、2次方程式の解と係数の関係を利用
するのが良いでしょう。
あんま出題されないタイプなんですけどね(笑)めぐろ塾では遥か昔の千葉工業大の問題を使っています。
解答
3
問題
考え方
(1)は、「解配置問題」ですが、定数分離を問題文がやってくれてますね(笑)実数解を共有点と考え、\(y=f(x)\) のグラフを描いて、\(y=k\) を \(x\) 軸に平行に上下させて個数を考えるだけです。
(1)は、(2)・(3)の誘導としてのサービス設問なので、絶対に間違えないように!(2)・(3)は目新しい問題です。共に、
与方程式の左辺が \(f(x)f(y)\) となっていることを見抜く
↓
\(f(y)\) で割って、\(x\) の方程式(\(y\) は定数と見る)として(1)の結果を利用
します。最大・最小問題における「予選決勝法(1文字のみ変数扱い)」と同様の考え方です。ま~目新しい問題ではありますが、誘導として(1)があるので難易度は高くありません。少し鬼門となるのは、
理系専用範囲の方程式は、2種類の関数が混じるので、基本「解けない」
↓
(3)で \(f(y)=\displaystyle\frac{3}{e^3}\) の解 \(y=3\) を見つけなくてはならない
ところでしょうか?でもこれも常套処理ではあり、問題も見つけやすく作問してくれているので、正しく理系専用範囲の演習を積んでいる人であれば、頭を悩ませるところでもないでしょう。
解答
4
問題
考え方
文系数学の3とほとんど共通した問題です。
(2)が一番の山場になりますが、これの証明に必要な \(K_2\) の解析が設問として省かれ、(3)が加わるって鬼畜仕様(笑)文系数学の出題でも充分以上に難しかったのに…
(2)までの詳しい解説は、文系数学の記事の3をご覧ください。この解説にのっとって、
解答では、(2)→(1)→(3)の順
で解いています。
一問あたり25分しか使えない試験時間で、(2)の証明を完遂するのは厳しいでしょう。文系数学の記事でも言っていますが、
(2)の結果を予測し、(1)・(3)の答を当てる
↓
(2)で帰納法で証明する姿勢を見せる
とできれば充分です。部分点狙いに徹してください。理系で追加されている(3)も、
重複組み合わせ → 〇と|でモデル化
という、(1)と同様の考え方で解けます。
因みに大手さんの解答を見る限り、(2)は三角不等式でいけるようですが…受験での使用頻度高くないので、思いつく難易度が高すぎます。少なくとも私めにはムリでした(笑)
解答
5
問題
考え方
(1)は「解配置問題」ですが、解の個数までの解析が要求されていないので「中間値の定理」を使うだけ。「連続」を断って「端点値が異符号」で示しましょう。
(2)は、「線対称移動」の処理を実行するだけ。文字が多いので、D\((c\:,\:d)\) とおいた \(c\:,\:d\) のみが未知数であることに注意して、連立方程式を解きましょう。
(3)は、(2)の結果を利用して共線条件を処理します。傾きを使おうとすると、APが \(y\) 軸に平行な場合に対応できないので、解答のようにベクトルで処理するのがベストです。計算は多少複雑ですが、
- この系統の問題で常套の加法定理の逆利用が適用できる
- 結果的に(1)の方程式が出てきそうじゃね?
ってことから、正しく計算するのは難しくないでしょう。
これで(1)を利用し、(3)の1文目の証明までできれば充分です。
(3)の2文目の証明まではキツイでしょう(笑) \(f'(\theta)≧0\) が言えればいいだけですが、この不等式証明がキツイ。相加・相乗平均を2回、さらに2回目は序文で与えられた \(a^2+b^2<1\) を使用できるように使わなければいけません。(3)の2文目については、「\(f'(\theta)≧0\) を示せば良い」って書いて、ここの部分点だけ獲得すればオッケーです。
解答
講評
例年より難化した2022と比べても…
解答方式 | 試験時間 | 大問数 | 難易度 |
---|---|---|---|
記述式 | 120分 | 5問 | やや難化 |
かと思います。4と、5の最後が難しすぎるのが主な原因(笑)
でも1~3が標準的なので、合格点をとる難易度に変化はないかと思います。
1~3と5(3)の前半までの8割方の点数を取れれば充分、ここから4(1)・(3)の答を当てれればかなり数学で稼げる感じでしょう。
そのためにも、3の空間での計算ミス等には気をつけたいところ。
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君の大学受験が最高の結果になることを祈ってます!