2024千葉大【理系数学】解説・解答・講評
2024千葉大学の理系数学の解説・解答・講評をお届けします!
千葉大の数学の特殊性
↑でもお話ししているんですが…
千葉大の数学の入試では、
文系数学と理系数学が同じ冊子で配られる!
ことは、千葉大を受ける人は覚えておいてください。
かつ…
理系数学では、学部・学科によって解く大問が変わる!
ことになるので、理系の人は解く大問を間違えないように気を付けましょう!
2024では以下の通りです。
学部・学科等 | 解答する問題番号 | 試験時間 |
---|---|---|
教育学部(中学校コース数学科教育分野) | 3~8の6問 | 150分 |
理学部(物理学科、化学科、生物学科、地球科学科) 工学部 情報・データサイエンス学部 園芸学部(園芸学科、応用生命科学科、緑地環境学科) 薬学部 先進科学プログラム(物理学関連分野、工学関連分野、情報・データサイエンス関連分野) | 4~8の5問 | 120分 |
理学部(数学・情報数理学科) | 4~9の6問 | 180分 |
医学部 | 5~9の5問 | 120分 |
本記事では理系数学を対象とするので、大問4~9の解説・解答・講評となります。
教育学部(中学校コース数学科教育分野)を受験する人は、大問3については文系数学の記事をご覧ください。
4
問題
考え方
小問集合です。
(1)は部分積分を2回使うだけ。解答では「0~ \(\displaystyle\frac{2\pi}{3}\)」をたくさん書かないで済むように、不定積分を計算してから代入していますが、答あたってればど~でもいいです(笑)でも、計算ミスったときのために、「部分積分法を2回用いると、」とかは書いておいた方がいいと思います。
(2)は図とか描いちゃダメ!ただの複素数平面での \(±\displaystyle\frac{\pi}{3}\) 回転なので、回転中心を一番カンタンな \(\textrm{Q}(-1)\) にして、極形式での掛け算で片付けましょう。
(3)はそこそこムズイです。
最初の段階で、
与等式から \(_{q}\textrm{C}_1>0\) を削除すれば、\({}_p\textrm{C}_2=n\)
↓
\({}_m\textrm{C}_2≦n\) を満たす最大の \(m\) は \(p\) っぽい
って気づいておかないと、お話になりません。そして、
- 論証に \(p>q\) と与等式からの、範囲の「絞り込み」が必要
- \(x(x+1)\) の増加を断らないとダメ
- 最大値の定義に則り、等号の成立を断らないとダメ
なので、完答できた人は少なそう。上記3つには全て部分点が配置されていると思いますが、下2つとかが微妙でも、答が当たってれば大成功な問題でしょう。
解説
5
問題
考え方
(1)は、
高さは1だから、底辺の長さを \(k\) にするだけ!
なんですが…
「\(k\) が0以上の整数」としか言われていない
↓
(Ⅰ) 面積0 or (Ⅱ) 面積発生 or (Ⅲ) そんな面積作れないよ
での場合分けが必要
です…正直(Ⅲ)は失念しちゃっても(2)はいけるんですが、(Ⅰ)は(2)に影響してしまうので、ここだけは気づきたい。
(2)は、(1)の結果の利用を考えれば、\(n\) の偶・奇で場合分けすることには気づけるでしょう。
正直、気合を入れて計算するのは \(n\) が偶数の場合のみでオッケーです。
収束するに決まってる(振動するわけない)ので、奇数の場合も同じ結果になるに決まってます。気楽に計算しましょう(笑)
解説
6
問題
考え方
理系全体での共通問題ですが、一番カンタンな問題に思えます。
「値が汚い」以外の山場が全くない問題なので。
(1)は、微分して増減表。(2)は、\(e^x=t\) と置き換えて3次方程式を解くだけ。(3)は、図示もいらないただの \(x\) 軸回転体の体積計算。
因みに(3)は \(\displaystyle\frac{1+\sqrt{5}}{2}\) の2乗・4乗は次数下げで計算しています。めぐろ塾↓で生徒に徹底させているので。
- 日本全国どこからでも受講可能!
- 完全個別指導コースあり(オンラインも可)!
- 初回面談・初回授業は完全個別で無料(オンラインも可)!
初回面談は全て私めが個別に対応させて頂きますm(_ _)m
お気軽にお問い合わせください↓
電話番号からのお問い合わせの場合、授業や面接中で対応できない場合は折り返しご連絡させて頂きますので、留守番電話にご用件を残しておいて頂けると助かります(セールス・勧誘のお電話は固くお断り致します)。
頂いたお問い合わせへのリアクション以外で、こちらからご連絡することは一切ありません。安心してお問い合わせください。
ただ…偶数乗だけなので…フツーに根性計算の方が楽かもしれません(笑)生徒に徹底させている手前、講師の僕も義務感で次数下げを行いました。悪しからず、ご了承くださいm(_ _)m
解説
7
問題
考え方
(1)は何も考えず、千葉大の作問を信じ、メンドくさいですが \(f\left(\displaystyle\frac{1}{1-\alpha}\right)\) を計算しましょう。分子に \(f(\alpha)=0\) が作れて終了です。
(2)が鬼門になるでしょう。「極値の積が負」で処理しようとすると、計算がめんどい、かつ(3)が解けなくなってしまいます。
「中間値の定理」の一番の使いどころは?
3次方程式が異なる3つの実数解を持つことの証明!
って即答できない人には厳しい問題です。かつここで、
(3)が解の極限
↓
(1)の結果を利用を意識
↓
解のどれかの範囲で \(\displaystyle\frac{定数}{n}\) を見つけておく
(一番小さい解、解答の \(\alpha_n\) の下限値で見つかります)
と解答のように完勝なんですが…
ここまで試験時間内で処理するためには、類問の経験がかなり必要でしょう。(2)までできていれば及第点に思えます。
解説
8
問題
考え方
フリーハンドで解答のようにキレイな円が作図できると思うな!
\(C_1\:,\:C_2\) の半径 \(p\:,\:q\) は \(C\) の半径1よりは小さいっしょ
↓
内接は「中心間距離=半径の差」、外接は「中心間距離=半径の和」
↓
角度与えられてるから、余弦定理
って感じで、汚い作図でも円の特性から解法に気づけるようにしてください。これで(1)をクリアすれば、(2)は \(\displaystyle\lim_{\theta\to +0}\displaystyle\frac{\sin\theta}{\theta}=1\) を使うだけで典型です。僕はここまで一切図を描きませんでした。
って自慢しましたけど…作図ってホント大事…
(3)も頭の中で図をイメージしてやったら、\(C_2\) が \(C_1\) より大きい場合(解答の(Ⅱ))を失念しちゃいましたね、プロ講師名乗っててすいませんm(_ _)m
ま~これでも(4)は当たります。(1)の結果で \(\theta\) よりも \(p\) の登場回数が多いので、解答のように \(\theta\) を消去して、\(p\) の式の極限で考えるのが楽でしょう。分子・分母ともに有理化を実行して計算します。
解説
9
問題
考え方
(1)は、分母を払って \(t\) の恒等式となるようにするだけですが…
パスカルの三角形の \(k\) 行目と \(k+1\) 行目に注目すると…
↓
\({}_k\textrm{C}_m+{}_k\textrm{C}_{m+1}={}_{k+1}\textrm{C}_{m+1}\)
とゆ~マイナーな公式を知らないとお話にならない鬼畜問題となっております(笑)
二項定理を帰納法で証明する際に使ったりするんですが、自分で演習中に使ったのは数年ぶりです(笑)しかも2回も使わせやがる…
さらにシグマの消去が必要なので、片方のシグマを一方に合わせるような変形も必要になります。
そして、(1)で充分に高レベルなのに…
(2)の解答打ち込むのだけで1時間以上かかりました(笑)
(2)は絶対に捨てましょう!
(1)で \(m\) の漸化式を立式しているので、これを解く
↓
階差数列分かるタイプに持ち込み、シグマ部分が0に収束することを証明
↓
初項の極限で、無限等比級数
とゆ~、「ここまでやらせるのか?」って処理のオンパレードでした(笑)
- そもそも \(m\) の漸化式解く方向でいいのか不安
- その漸化式解いてるときに文字多くて混乱
- 一般項は0だけど、シグマとって0でいいの?(項数 \(m\) は有限確定値だから、結局はオッケー)
- 階差数列分かるタイプの漸化式だから、初項(\(m=0\))の確認もいるよね、でもどのタイミングでやればいいの?
- 初項の極限に辿りついたけど…ここで無限等比級数までいるんか~い
ってことで鬼門が多すぎます…
(1)解ければ大成功です。
解説
講評
去年2023の解説記事も作成しましたが↓
これと比べると…
解答方式 | 試験時間・大問数 | 難易度 |
---|---|---|
記述式 | 学部・学科によって変わる | 変化なし |
に思えます。個人的には9がなければやや易化だったんですが、9が厳しすぎました。これ解かされる理学部と医学部の受験生は可哀想…
また、解説中でも話してきた通り、7は類問の経験がかなりないと完答できない問題です。
4(1)・(2)と6を完答し、後は部分点をかき集める!
のが大事なテストだったかと思います。
今回の記事に関しての質問や、ミスを見つけた場合のクレーム(笑)めぐろ塾へのお問い合わせはこちら↓からお気軽にどうぞ!
- 日本全国どこからでも受講可能!
- 完全個別指導コースあり(オンラインも可)!
- 初回面談・初回授業は完全個別で無料(オンラインも可)!
初回面談は全て私めが個別に対応させて頂きますm(_ _)m
お気軽にお問い合わせください↓
電話番号からのお問い合わせの場合、授業や面接中で対応できない場合は折り返しご連絡させて頂きますので、留守番電話にご用件を残しておいて頂けると助かります(セールス・勧誘のお電話は固くお断り致します)。
頂いたお問い合わせへのリアクション以外で、こちらからご連絡することは一切ありません。安心してお問い合わせください。
君の大学受験が最高の結果になることを祈ってます!