2024東大【理系数学】解答速報
2024東京大学の理系数学の解答速報をお届けします!
文系数学については↓の記事をご覧くださいm(_ _)m
第1問
問題
考え方
東大が大好きな、「空間の2ベクトルのなす角の処理」です。文理問わず良く出題されています。
点Pは \(xy\) 平面上なので、P\((x\:,\:y\:,\:0)\) とおく
↓
\(\cos∠\textrm{AOP}=\displaystyle\frac{\overrightarrow{\textrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\textrm{OP}}}{\left|\overrightarrow{\textrm{OA}}\right|\left|\overrightarrow{\textrm{OP}}\right|}\) で \(x\:,\:y\) の式を導く
↓
∠OAPも同様
で、機械的に式で処理していくだけ。この場合で2乗するときのお決まり、
2乗する際に、 ルート自体≧0 も確実に確認する
ようにしましょう。本問では結果には影響を及ぼしませんが、過去の出題からすると減点ポイントになっているものと思われます。
個人的に鬼門に思えるのは、\(0≦\theta≦\pi\) で \(\cos\theta\) が単調減少であることの失念です。
角度条件にcosをつけるとき、不等号の向きを逆にしなければなりません!ま~でもこれで領域判定ミスっても、6~7割の点数は入るでしょう。展開計算でミスって最初双曲線が出てきた僕よりはマシです(笑)境界線は確実に当ててください。
解答
第2問
問題
考え方
\(0≦t≦x\) と \(x<t≦1\) で場合分けして絶対値を外す
↓
\(f(x)\) が積分計算なしで微分できる形になる
↓
微分すると、\(f'(x)\) が \(\displaystyle\int\displaystyle\frac{dt}{t^2+a^2}\) の形
↓
\(t=\tan\theta\) で置換(アークタンジェント系)すれば、\(\alpha\) を用いて \(f'(x)\) が計算可
↓
\(f(x)\) の増減表が作れる
という典型的なストーリーで、丁寧な誘導もついています。
東大はアークタンジェント系の積分が大好きなので、本校受験者であれば十分に対策しているでしょう。
計算は楽ではありませんが、今年のセットで言うとほぼ完答はマストな問題だと思います。
解答
第3問
問題
考え方
やっと東大に「n回試行の確率」が戻ってきたぁああああああああああああああああああああああああああああー!
と喜びました。去年の第2問の確率は小学生知識でもできる問題でしたが、計算ミスりやすい、途中点もらいにくそうってことでイヤだったんで。2016以来の典型出題です。
しかし…
全く解きやすくはない(笑)
「n回試行の確率」の<方針1>「n回の過程を具体的に考える」、<方針2>「確率漸化式」のうち、<方針2>「確率漸化式」なのは明らかで、(2)までは難なく解答できるでしょう。
問題は(3)です。(2)で状況が4つしかないことが分かり、(2)で考えてない2点(解答で \(c_n\) と確率をおいている2点)から遡った漸化式さえ立てれば、(2)から立式できる漸化式との2本で上手く解けることを期待していたんですが…
4本全ての漸化式が必要、かつ漸化式を組み合わせて2項ズレの漸化式を立てないとダメ…
も~イライラを越えて悟りの境地に入った僕は、\(a_n\:,\:b_n\:,\:c_n\) の立式を全てしっかりと打ち込みましたが、「以下同様に」ってして省いていいと思います。最終的に連立漸化式を解けなくても、
状況が4つしかない → 漸化式をいくつか立てる
ってところまで記述できてれば及第点でしょう。
解答
第4問
問題
考え方
昨年の第3問と良く似たシステムの問題です。
円と放物線が共通の接線を持つ
↓
「法線が中心を通る」と「接点と中心の距離が半径」で処理
↓
\((3\:,\:a)\) の通過条件から、定数分離法で4次関数のグラフと \(y=a^2\) の共有点
と考えます。「円と放物線」、「最終的に4次関数のグラフ」ってとこが去年と全く一緒。ただ、去年の問題よりはかなりカンタンです。文章的な意味の不明さも、三角関数やルートが絡むところもないので。
でも…流石東大…去年に比べればマシですが、計算はかなりメンドウです。
(1)の結果が因数分解でき、最初これで解答打ってたんですが、あんま共通因数見つけられなかったので展開する方向に直しました。もしかしたら \(g'(t)\) の計算まで \(c(t)\) と \(r(t)\) のまま進めれば、積や合成関数の微分法で共通因数が出るかもしれません。でも…僕は試験時間内でそこまで冒険する気は起きないので…めぐろ塾としてはもうこの解答でいいです(笑)
4次関数の増減表を作成できても、極値計算が大分大変。ストーリーは読みやすいので、定数分離法で \(y=g(t)\) と \(y=a^2\) の共有点で考えるところまでは確実に記述しましょう。ここまで記述できてれば、前後の計算でミスってても及第点。
解答
第5問
問題
考え方
一般難易度としては高めの問題ですが、東大の求積としてはサービス問題の部類でしょう。空間で三角形を回すだけなので。
めぐろ塾↓では放物線のプレートを回させたりもします。これに慣れてれば余裕。
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回す前に断面をとると、三角形は線分となる
↓
回転させると断面はドーナツ型
↓
回転軸を表す点から線分に垂線が下ろせるかどうか(内円の半径の式の変化)で場合分け
を行うのは当然で、DがACの中点、三角形ABCが正三角形であることから、その重心を境に垂線が下ろせるかが決まるって図形的に分かってしまうサービス仕様。計算も東大の求積にしては楽な部類なので、是非とも完答したい問題です。
解答
第6問
問題
考え方
わざわざ素数の定義を序文に書いており、これがヒントになっています。
\(f(n)=n(n^2+10n+20)\) から、\(f(n)\) が素数のとき、\(n\) か \(n^2+10n+20\) のどっちかは \(±1\)。
これで(1)はおしまい。しかし…
わ~い、東大の最後の問題にしてはカンタ~ン
って喜んだ人を地獄に叩き落す問題が(2)となっております(笑)
(2)は捨てた方が良い!その理由が知りたい人のみ、以下を読んでくださいm(_ _)m
解答で言う①・②・③・④の状況のうち、「①と②」・「③と④」が対応していることはすぐに分かると思います。ただ、状況的にカンタンなのが「③と④」なんで、フツーこっちから攻めちゃうと思うんですが…これだと上手く証明できないって鬼畜仕様です(笑)正しいストーリーは、
①と②は同時に起きない
↓
それぞれの場合で④にはならない
なんですが、試験時間内に冷静にここまでは読めないでしょう。少なくとも僕にはムリです(笑)かつ、ストーリー読めても論証はそんなに楽じゃない。以上から、めぐろ塾では(2)を捨てることを推奨しますm(_ _)m
解答
講評
昨年2023の解答速報↓
も行いましたが、これと比べると…
解答方式 | 試験時間 | 大問数 | 難易度 |
---|---|---|---|
記述式 | 150分 | 6問 | 去年と一昨年よりはマシ |
ですね、やや易化です。
ま~それでも十二分に難しいですが(笑)
第1・2・4・5問は思考的に難しいところがほとんどありません。これに第3問(1)・(2)と第6問(1)を解くのが試験時間的に精一杯ではないでしょうか?
これらの完答がベストストーリーではありますが…思考的に難しくなくても計算量がヤバい…
偉そうにコメントしてますが、僕もこれらの完答はムリです、絶対に(笑)
第3問(3)と第6問(2)以外で、どれだけミスをなくせたかが勝負!
だったと思います。この2つの設問以外で7~8割とれてれば十分、6割でも戦えるでしょう。
執筆時現在、3/12は国公立後期試験の日です。旧帝大一工で東大を最後に残していたので、アップが遅くなってしまって申し訳ありませんでしたm(_ _)m
国公立後期試験を受けた皆さんに良い結果が訪れることを、めぐろ塾より祈っております。旧帝大の文系数学の記事を書きながら(笑)
今回の記事に関しての質問や、ミスを見つけた場合のクレーム(笑)めぐろ塾へのお問い合わせはこちら↓からお気軽にどうぞ!
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君の大学受験が最高の結果になることを祈ってます!