2023大阪公立大【理系数学】解説・解答・講評
2023大阪公立大学の理系数学の解説・解答・講評をお届けします!
文系数学については↓の記事をご覧くださいm(_ _)m
第1問
問題
考え方
Aの規則は非常に単純です。
問1は、n回中でAがm回勝つ確率を求めるだけなので、独立試行の定理を使うだけ。
Bの規則が複雑すぎてイヤになりますね(笑)
解答のように、Bの1回のゲームでの移動4通りとその確率を表でまとめると良いでしょう。
問2は、この表をもとに、「2回だったら最大でも6段までしかいかない」ことから、各段にいる(m=0~6の)確率を丁寧に計算していくだけです。出題形式的に、一応m=5やm≧7の確率っが0であることも書いておいた方が良いでしょう。また、求めた確率の総和が1になることから計算ミスがないかも確認してください。
問3は「n回試行の確率」の<方針1>「n回の過程を具体的に考える」、<方針2>「確率漸化式」のうち、<方針1>「n回の過程を具体的に考える」。パーで負けたら0段目に戻るので、最後にパーで負けたのをk番目(それまではどう移動しても良い)としてシグマで計算するという上位校では常套の処理ですが…
かなり数え漏れが起きやすい問題だと思います。僕も最初、ずっと0段にいる場合を失念してしまいました(笑)
ミスの起きにくい問2までを完答できれば及第点でしょう。
解答
第2問
問題
考え方
問1は、\(z=x+yi\)(\(x\:,\:y\) は実数)とおいて与方程式に代入、座標平面における直線の方程式を立式するだけです。
直線の方程式の一般形 \(\overline{\beta}z+\beta\overline{z}+c=0\) だとこの処理で \(i\) が引き算で消えるんですが、今回は割り算(因数分解)で \(i\) を消さないといけないので、混乱した人は多いかも。
ちょっとカッコ悪い解答にはなっちゃいますが、両辺の実部・虚部を比較して同じ式が出る、としても減点は喰らわないと思うので、しっかり結果の直線を当てましょう。
問2は、
複素数平面上での線対称移動
↓
回転により対称軸を実軸に重ね、実軸対称移動(共役処理)に帰着
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因みにその後の処理を見越し、あえて結果は極形式のまま解答しています。これでも減点は喰らわないかと。
問3は解答のように、
問2より、\(f(z)\) を \(z_2\) で表す
↓
回転から \(z_2=\left(\cos\displaystyle\frac{2\pi}{3}+i\sin\displaystyle\frac{2\pi}{3}\right)z_1\) を立式し、代入
↓
回転から \(z_1\) を \(z\) で表して代入
って感じで、逆から考えていくのがベストです。「極形式の積・商」は「偏角の和・差」にできるので。そしてこれも、
ど~せ問4で、\(-\displaystyle\frac{3}{2}-\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2}i\) が消えて、序文の方程式と似た形になるんでしょ~
ってことを見越し、あえて結果は極形式を使って解答しています。
問4では目論見どおり、序文と似た形となるので、問1と同じ処理を実行するだけ。問3で \(-\displaystyle\frac{3}{2}-\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2}i\) が出ないとってところから計算ミスを確認できる、親切な設計の問題です。
解答
第3問
問題
考え方
全体的には、
問1で、部分積分法を2回利用して定積分を書き換える
↓
問2で、真ん中を問1から1つのインテグラルにまとめる
↓
被積分関数の分子を評価し、\(x^2\) で割って、全体にインテグラルをくっつける
↓
問3で、問2の \(t\) に \(k\) を当てはめ、\(k=1\:~\:n\) の和をとって、はさみうちの原理
という典型的な流れですが…
ムズいっす…
一番の鬼門は、問2で、
- 問1使わなくても真ん中の定積分計算は可能
- っつーか真ん中は定積分計算しなくても微分はできる形
- 問1使って書き換えても定積分計算したくなっちゃう形
ってことで、この手の問題に慣れてる人ほど、問1の誘導を受け取るか、無視するかを悩んじゃうところ。不等式にインテグラルをくっつけるのは、基本真ん中が定積分計算できないときなので。
でも、誘導を無視すると、右側の不等式の証明で破綻します。大-小≧0にして大-小を微分すると…二階微分が必要で…通分計算がとんでもないことになっちゃって…こっちの解答も途中まで書いたんですが、断念しました(笑)
問2は、誘導を無視して↓のように左側の不等式だけ証明し、右側の不等式の証明は諦めるのもアリだと思います。左側は典型なので。
そして問3でも、
- \(k=1\:~\:n\) での和をとるか、\(k=1\:~\:n+1\) での和をとるか悩む
- \(\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1}\log k\) と \(\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1}\log(k+1)\) を、区間をずらして合体させる必要がある
って鬼門が用意されてる鬼畜仕様(笑)でも問2よりは典型的でしょう。
問2の右側の不等式証明以外を完答できれば大成功です!
解答
第4問
問題
考え方
問3までは、受験で頻出の「フェルマーの小定理」の証明です。
2009東大で文理共通問題で出題されてるくらい有名。
証明経験のない人だと、問1・2が問3を帰納法で示すための準備であることに気づきにくくなってしまいます。証明経験のなかった人は、これを機に問3までの解答をしっかり理解しておいてください。
因みに問1では↓の公式を使っています。覚え方も書いておくので、覚えてなかった人は絶対に暗記しておきましょう、Cの和の計算なんかでも使います。
二項係数の有名公式
\(n\) 人から \(k\) 人のグループを作って、その代表を決める
方法は、この順通り考えても、代表を先に決めて、残りの \(n-1\) 人から代表以外のグループ構成員 \(k-1\) 人を選ぶ、って考えても一致するから、
\({}_n\textrm{C}_k\cdot k\) = \(n\cdot{}_{n-1}\textrm{C}_{k-1}\)
問4はユークリッド互除法を使うだけなのでカンタンですが…
問5は捨てた方がいいですね。
解答のように、問3と問4を使うと証明できますが…
- 問4から、\(p\) を法として \((2n+1)^2≡2\) という形を導き、底への代入を考えなければならない
- 整数問題において \(\displaystyle\frac{1}{2}\) 乗を作らなければならない
のでかなりキツいです、特に前者に気づくのが難しい。問4を考えれば気づけるレベルではありますが…僕がこの問題でどれくらいの時間アタマを悩ませたかは…ご想像にお任せします(笑)少なくとも時間内解答は僕にはムリでしたm(_ _)m
- 「フェルマーの小定理」の証明を知ってた人 → 問4までいける
- 「フェルマーの小定理」の証明を知らなかった人 → 最低限、問2・4は完答して欲しい
って感じで、知識の有無で差のついてしまう問題です。
解答
講評
大阪公立大の問題を1年セットで解くのは初めてでしたが…2022も軽く解いてみた感じ…
解答方式 | 試験時間 | 大問数 | 難易度 |
---|---|---|---|
記述式 | 120分 | 4問 | 変化なし |
全ての大問が、完答しにくい問題です(笑)
一番完答しやすいのが第2問ですが、これも問2で「複素数平面での線対称移動」の効率処理を知らない人だと厳しくなってしまうので。
一問を完答するよりも、部分点をかき集められるかが勝負のテストだと思います。
解答中でも話してきたけど、「第4問で、問2は捨てても問3はしっかり解く」ってゆ~姿勢が大事なテスト。
また、全体的に誘導が非常にしっかりしている印象を受けました。変な混乱を誘うような誘導はなく、前の設問が確実に次以降の設問で必要な内容となっています。解けない設問に出会ったときは、出題者を信じて以前の設問の意味を考えてみることが大切な大学だと思います。もちろん解ける問題を解き終わってからの話ではありますが。
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君の大学受験が最高の結果になることを祈ってます!